NVIDIAから新型のGPU、RTX30シリーズが発表されました。
RTX20シリーズから2年ぶりとなる新型モデルとなり、大幅に性能が向上しています。
さらに新機能もたくさん追加され、コストパフォーマンスにも優れたシリーズとなっています。
ここではRTX30シリーズの価格や性能、特徴を解説します。
RTX30シリーズの仕様比較
RTX3090 | RTX 3080 | RTX 3070 | |
コア数 | 10496 | 8704 | 5888 |
ブーストクロック | 1.70GHz | 1.71GHz | 1.73GHz |
標準メモリ構成 | 24GB GDDR6X | 10GB GDDR6X | 8GB GDDR6 |
メモリインターフェイス幅 | 384 bit | 320 bit | 256 bit |
カードの寸法(mm) | 313 × 138 3スロット |
285 × 112 2スロット |
242 × 112 2スロット |
最高温度 | 93 | 93 | 93 |
TDP | 350W | 320W | 220W |
補助電源コネクタ | PCIe 8 ピン x2 | PCIe 8 ピン x2 | PCIe 8 ピン x1 |
発売日 | 2020/9/24 | 2020/9/17 | 2020/10/29 |
参考価格 | ¥ 229,800 | ¥ 109,800 | ¥ 79,980 |
引用元:NVIDIA
RTX30シリーズ各製品のポイントを簡単に解説します。
ポイント
- RTX3080は最上位モデルで、NVLink SLIに対応
- RTX3080はRTX2080の2倍の性能で価格据え置き
- RTX3070はRTX2080Tiより高性能かつ価格は半額
- アップコンバートによる8K出力に対応
- 「HDMI2.1」と「DisplayPort 1.4a」出力に対応
それぞれ現行機よりも大幅に性能が向上しており、コストパフォーマンスも高くなっています。
入力遅延を軽減する「NVIDIA Reflex」にも対応しており、ゲーム中の一瞬の判断がしっかり反映されます。
ボトルネックを軽減する「RTX IO」
高性能なGPUを導入する上で気になるのがボトルネックです。
RTX30シリーズでは「RTX IO」という新機能を搭載しており、CPUの代わりにGPUでゲームデータの処理が可能になります。
これによりCPUの負荷を大幅に軽減するだけでなく、処理速度も向上します。
CPUを替えることなくGPUの性能を向上できるため、ゲーミングPCのハイスペック化の第一歩としておすすめです。
RTX3090のみSLI接続に対応
RTX3090 | RTX 2080Ti | |
コア数 | 10496 | 4532 |
ブーストクロック | 1.70GHz | 1.54GHz |
標準メモリ構成 | 24GB GDDR6X | 11GB GDDR6 |
メモリインターフェイス幅 | 384 bit | 352 bit |
カードの寸法 | 313 mm × 138 mm × 3スロット | 266 mm × 115 mm × 2スロット |
最高温度 | 93 | 89 |
TDP | 350 | 250 |
RTX2090は歴代最高の性能を誇り、現行機のRTX2080Tiと比較しても2.5倍以上の性能です。
さらにRTX2080以下は対応していない「NVLink SLI」に対応しており、最強のゲーミングPCには必須のGPUです。
最新のゲームを最高の設定で遊びたい場合は間違いなく最高のGPUとなります。
コアゲーマーはもちろん、クリエイターにもおすすめのGPUです。
NVLink SLIとは
グラフィックボードを複数台並列で接続することで、「グラボ2枚差し」と言われる搭載方法です。
1つのグラフィック処理を複数のグラフィックボードで行うため、グラフィック性能が倍になります。
RTX3080はRTX2080の2倍近い性能
RTX 3080 | RTX 2080 | |
コア数 | 8704 | 2944 |
ブーストクロック | 1.71GHz | 1.71GHz |
標準メモリ構成 | 10GB GDDR6X | 8GB GDDR6 |
メモリインターフェイス幅 | 320 bit | 256 bit |
カードの寸法 | 285 × 112 2スロット |
266 × 115 2スロット |
最高温度 | 93 | 88 |
TDP | 320W | 215W |
RTX3080はRTX2080の後継モデルです。
NVIDIAはRTX3080の性能をRTX2080の2倍相当だと発表しています。
性能の目安となるコア数が2944コア→8704コアと大幅に増えており、搭載メモリの性能も向上しています。
性能予測ではRTX2080の3倍近い処理能力となる可能性がありますが、希望小売価格は据え置きの109,800円と発表されており、コストパフォーマンスに優れています。
RTX3070以外はTDPが上昇した
TDP | |
RTX 3090 | 350 W |
RTX 3080 | 320 W |
RTX 3070 | 220 W |
RTX 2080 Ti | 250 W |
非常に高性能でコストパフォーマンスの良いRTX30シリーズですが、RTX3070以外はTDPが上昇しています。
TDPが上がると電源への負担が増えるため、場合によっては電源の交換を検討してください。
とはいえ性能差を考えるとTDPの上昇は抑えられており、無理なく運用できる範囲です。
RTX3070はRTX 2080 Tiと比較して性能向上と価格半額に加え、TDPも改善されています。
RTX30シリーズは8K出力(7,680x4,320)に対応
「DLSS」というアップコンバート機能が搭載されており、いつも遊んでいるゲームを8Kで出力できます。
これは通常の大きさで出力した映像を8Kに変換する機能で、RTX30ユーザー以外は体験できない綺麗な映像を楽しむことができます。
通常は映像を出力する段階でディティールが潰れてしまうことが多いのですが、この機能によって最高の画質でゲームをプレイできます。
さらにDLSSを使った4K出力では、大幅なフレームレート向上が可能とされています。
レースゲームをプレイする人には特に嬉しい機能ではないでしょうか。
RTX30シリーズは「HDMI2.1」と「DisplayPort 1.4a」出力に対応
RTX30シリーズを導入される方はゲーミングモニタにもこだわっていることが多いのではないでしょうか。
4Kテレビを使っている場合に嬉しいのが、「HDMI2.1」と「DisplayPort 1.4a」出力に対応している点です。
これにより「4K / 120fps」「8K / 60fps」での出力が可能となり、GPUの性能を最大限発揮できます。
RTX30シリーズの性能比較と特徴まとめ
RTX30シリーズの特徴や新機能について解説しました。
基本性能の大幅な向上はもちろん、新機能もたくさん追加されている、まさしく最強のGPUとなっています。
先日解説したボトルネックを軽減する機能も搭載されているため、ハイスペックなゲーミングPCに挑戦する第一歩として最適です。
CPUの負担が減るため、ラグやCPUの温度上昇の軽減にもつながります。
ただし全体的にTDPが上昇しているため、電源容量には気を付けてください。