ゲーミングPCのCPUについて解説していきます。
「どのCPUを搭載したゲーミングPCを選べば良いかわからない」
「自作ゲーミングPCに搭載するCPUで迷っている」
「ゲーミングノートPCではCPUはどれがおすすめだろうか」
このようにCPUの性能について知りたい方に向け、CPUの性能比較や選び方について紹介します。
ゲーミングPCにおけるCPUの役割や性能による違いも解説します。
ゲーミングPCのCPUとは
CPUは人間で例えるなら脳のようなものです。
PCのほとんどの動作はCPUで処理されますし、CPUの性能が低ければできる事も少なくなります。
ゲーミングPCでもCPUの役割はとても大きく、グラフィックボードさえあればOKというわけではありません。
CPUのゲームでの役割
ゲームでのCPUの役割は「グラフィック以外のすべて」です。
操作入力・キャラクターの攻撃・当たり判定などグラフィック処理以外すべての動作処理はCPUで行います。
グラフィックボードの動作処理もCPUで行いますから、ゲーミングでもやはりCPUは最重要なパーツと言えます。
ゲームにおけるCPUの処理能力
CPUの性能が不足すると、キャラクターの動作にわかりやすく現れます。
入力してもキャラクターが正しく動作しない・動作遅延が起きる・攻撃の当たり判定が正しく行われない・オブジェクト(ドアやアイテム)が反応しないなど、ゲームにならない症状を起こします。
CPU性能による違いは、格闘ゲームやFPSゲームなどの対戦型ゲームで顕著に現れます。
瞬発的な動作をしたいときに反応しない、ドアが開かない、アイテムが取れないなど勝敗に大きく影響します。
CPUとグラフィックボードの組み合わせと相性
CPUとグラフィックボードの組み合わせも大切です。
これは主に自作ゲーミングPCで注意しなければならないポイントであり、CPUとグラフィックボードの性能差がありすぎると正しく動作しません。
BTOパソコンショップでは、グラフィックボードの種類を起点としてCPUの選択肢は限られており、その中か選べば問題がないようになっています。
高性能CPUに低性能グラフィックボードを搭載してはゲーミング性能が発揮されませんし、その逆ではグラフィックボードが正しく動作しません。
搭載したいグラフィックボードから、そのグラフィックボードが正しく動作するCPUを選択するのがわかりやすいでしょう。
基本的には本記事で紹介したおすすめCPUの選択肢の中から選択すれば良いはずです。
ゲームに必要なCPU性能
CPU性能は昨今頭打ち状態になっており、新しいCPUが発売されても進化の幅が少ないです。
そのためある程度の性能をもったCPUを搭載していればOKとされ、グラフィックボードが最重要視されています。
確かにグラフィックボードでゲーミング性能は大きく変わるのですが、CPUを疎かにして良いわけではありません。
とはいえCPUの進化が少ないのも事実ですから、ゲーミングPC購入時に優れたCPUを搭載したモデルを選んでおけば、数年後PCスペックが物足りなくなった場合にグラフィックボードを交換するだけでゲーミング性能を飛躍的にアップすることができるのです。
グラフィックボードを交換する際は電源容量に注意してくださいね。
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ゲームに最適なCPUのコア数
コア数は多ければ多いほどゲーミング性能が高いわけではありません。
コア数は「4~8コア」もあれば十分と言われており、これ以上多くてもゲーミング性能はあまり変わりません。
そのためCore i9シリーズのようなコアが12~16個あるCPUを搭載しても、大きく違いは感じられないかもしれません。
ゲームに適したCPUの種類と世代
IntelのCPUは安定性が高い
Intel製CPUの大きな特徴はシェア数の多さによる安定性です。
それだけ?と思うかもしれませんが、シェア数が多いためほとんどのソフトウェアはIntel製CPUで最適化されています。
Intel製CPUでの最適化とは「ソフトウェアがIntel製CPUを搭載した状態で最も効率的に動くように開発」されている事を意味します。
そのためほとんどのソフトウェアで安定した高いパフォーマンスを発揮してくれます。
コスト面ではAMD製Ryzenに少し負けているものの、どちらがおすすめかと聞かれれば私はIntel製CPUを推奨します。
Core i3・i5・i7の違い
簡単に言えば「コア数、キャッシュサイズ」が違います。
その違いによりゲーミングだけでなく、PC全体の性能が大きく変わります。
ゲーミングPCでは最低でもCore i5以上を使うべきであり、Core i3はちょっとした家庭での通常使用を目的とした場合が多いです。
最近ではCPUのコストも下がり傾向にあるので、Core i7が主流となっています。
RyzenのCPUは急成長で良コスパ
RyzenのCPUはコスパが優れたCPUです。
AMD製Ryzenは元来「マルチコアでの性能は良いが、シングルコアの性能が低い」ことで有名でした。
そのためシングルコアでの性能が重要なゲーミングPCで採用される事は少なく、動画編集を目的としたモデルで使われることが多かったCPUであり、Intel製に比べ劣ったCPUでした。
しかし2019年発売の第3世代以降にRyzenシリーズは飛躍的な進化を遂げ、1コアあたりの性能が爆発的にアップしています。
これによりコスト面でもともと優勢だったRyzenは一気にIntel製Coreシリーズと肩を並べる性能となり、ゲーミングPCに採用される事も多くなりました。
BTOパソコンショップでもRyzenのCPUを搭載したモデルが増えています。
まだまだ最適化の問題でIntel製CPUに軍配が上がっている状況ですが、今後のCPUシェア競争に期待しましょう。
ゲーミングPCのCPUの選び方
CPUの選び方は、「CR15シングルの数値が高く、かつCR15マルチの数値が高い」ことがポイントです。
CPUの性能を確認する際にマルチコアでのスコアを気にしがちなのですが、ゲーミングでは1コアあたりの性能の方が重要です。
マルチコアでのスコアが重要でないという意味ではありません。
- 1コアあたりの性能 ⇒ ゲーミング・イラストなど画像編集で重要
- マルチコアでの性能 ⇒ 動画の書き出し・CGのレンダリングで重要
ゲーミングPCのCPUはマルチスレッド対応に
2019年以降のPCゲームでは、マルチスレッド対応のタイトルがほとんどになっています。
それ以前はシングルスレッド性能が重視されていたゲーミングPCにおいて、マルチスレッド性能も重要となってきました。
ではマルチスレッド性能さえ高ければシングルスレッドは無視しても良いのか?と言うと、そうではありません。
シングルスレッドで処理する場面もありますし、古いゲームをプレイする時はやはりシングルスレッドが重視されます。
そのため、「シングルスレッド性能が高く、かつマルチスレッド性能が高いCPU」が優れたCPUとなるわけです。
ゲームにおすすめなCPU
※CPUをクリックすると、そのCPUを採用したモデルで一番おすすめのゲーミングPCにジャンプします。
デスクトップゲーミングPCにおすすめなコスパが良いCPUは上の5製品です。
これらのCPUは、「CR15シングルの数値が高く、かつCR15マルチの数値が高い」条件を満たしたCPUの中でも価格が安いです。
特にゲーミング使用では1コアあたりの性能(CR15シングルの項目)が重要です。
これらのCPUはコスパが良いため、BTOショップでも採用したモデルが多いです。
ノートPC向けCPUのおすすめ
※CPUをクリックすると、そのCPUを採用したモデルで一番おすすめのゲーミングPCにジャンプします。
ノートゲーミングPC向けCPUでは、選択肢はIntel製Coreシリーズのみとなります。
AMD製RyzenはノートPCに最適化されたCPUを販売しておらず、強引にAMD製Ryzenを採用したノートPCは存在するものの、サイズが大きく重くなってしまうためおすすめしません。
ノートゲーミングPC向けのCPUは選択肢は少なく、事実上この2つのどちらかを選ぶしかありません。
BTOパソコンショップのラインナップでも、ほとんどが2つを採用したモデルとなっています。
ゲーミングPCのCPUまとめ
- 1コアでの性能が高く、かつマルチコアでの性能が高いCPUがおすすめ
- 安定性重視ならIntelのCoreシリーズ、コスパ重視ならRyzenシリーズ
- CPUはグラフィック性能以外すべての役割を果たす重要なパーツ
- デスクトップに最もおすすめはCore i7-10700
- ノートに最もおすすめはCore i7-10750H