ゲーミングPCの電源について詳しく解説します。
ゲーミングPCの電源ユニットは、自作やパーツ増設の際に自分で選ぶ必要があります。
また、BTOショップでゲーミングPCを購入する際にいくつか選択肢から選んでカスタムする事もできます。
自作・パーツ交換や増設・カスタム注文時にどういった視点で電源を考えれば良いのかを詳しく紹介します。
この記事でわかること
・ゲーミングPCにおける電源ユニットの役割
・電源規格の意味と概要
・電源ユニットの選び方
・おすすめ電源ユニット最新版
ゲーミングPCの電源とは
電源ユニットはすべてのパーツに電気を供給する心臓とも言える重要なパーツです。
電気を各パーツに必要な電圧に変えながら供給します。
ゲーミングPCを自作する際は確実な電源容量の確保が重要です。
BTOパソコンショップでは予め決められている
BTOパソコンショップで販売されているゲーミングPCでは、予め選べる電源ユニット容量が決められています。
選択可能な電源ユニットから選んでカスタムすることもできますし、そのまま注文しても問題はありません。
選択肢となっている電源ユニットは、すべてそのゲーミングPCで正常に動作すると各ショップが判断した電源ユニットですので、電源容量が足りないなど不具合が起きることはありません。
常に最大電力消費されるわけではない
ゲーミングPCの電源は、常に最大電力が消費されるわけではありません。
例えば700Wの電源を搭載していれば、PC起動時は常に700W消費しているわけではなく、PCで行う作業によって消費電力が変動します。
高負荷のゲームをプレイすれば消費電力は大きくなりますし、アイドル時やネットサーフィン程度なら小さな消費電力となります。
消費電力から電気代を見積もる場合は、この点に注意する必要があります。
電源ユニット「80PLUS認証」とは
80PLUS認証電源とは、電源ユニットに用いられる規格のことです。
電源効率が80%以上の電源ユニットに採用され、80PLUS規格にも種類があります。
80PLUS認証電源それぞれの電源効率は以下の通りです。
規格 | 出力 | 電源効率 |
---|---|---|
10% | - | |
20% | 80%以上 | |
50% | 80%以上 | |
100% | 80%以上 | |
10% | - | |
20% | 82%以上 | |
50% | 85%以上 | |
100% | 82%以上 | |
10% | - | |
20% | 85%以上 | |
50% | 88%以上 | |
100% | 85%以上 | |
10% | - | |
20% | 87%以上 | |
50% | 90%以上 | |
100% | 87%以上 | |
10% | - | |
20% | 90%以上 | |
50% | 94%以上 | |
100% | 89%以上 | |
10% | 90%以上 | |
20% | 92%以上 | |
50% | 94%以上 | |
100% | 90%以上 |
出力が100%となる状況はほとんどなく、50%出力を目安にすると良いです。
「80plus Titaniumu」が一番優れているように見えますが、コストパフォーマンスを考えるとそうでもなく、グラフィックボードをたくさん搭載するサーバー機など以外ではあまり実用的ではありません。
ゲーミングPCでは「80plus Gold」や「80plus Platinum」がおすすめで、ロースペックのゲーミングPCでは「80plus Blonze」も選択肢となるといったイメージです。
ゲーミングPCに必要な電源容量目安
ゲーミングPCの電源容量は以下が目安となります。
スペック | 電源容量目安 |
---|---|
ロースペック | 450~500W |
ミドルスペック | 650~700W |
ハイスペック | 750~800W |
超ハイエンド | 1000W以上 |
CPUやGPUなど採用するパーツによって必要な電源容量は変化します。
自分が欲しいパーツが採用されたゲーミングPCを、BTOショップで確認するとどれぐらいの電源容量が必要か判断することができます。
上の表はそれぞれ以下のCPUとGPUの組み合わせを例としています。
- ロースペック → Core i5-10400+GeForce GTX 1650
- ミドルスペック → Core i7-10700+GeForce RTX 3070
- ハイスペック → Core i9-11900K+GeForce RTX 3080
CPUやGPUの進化により必要な電源容量は変化するので、パーツによって都度考える必要があります。
電源ユニットの選び方
・電源容量は足りるか
・80PLUS GOLD以上を選ぶ
・メーカーにこだわる
ゲーミングPCの電源ユニットを選ぶ時は、以上の3つを注視しましょう。
最重要なポイントは電源容量が足りるかどうかです。
電源容量が足りなければ元も子もないので、必ず必要な電源容量を確保する必要があります。
電源効率を良くすることは電気代の節約、発熱の防止に大きな効果があります。
絶対ではありませんが、できれば80PLUS GOLD以上を選ぶのがおすすめです。
電源ユニットは多くのメーカーから発売されていますが、信頼性が高い電源ユニットを選びましょう。
粗悪な電源ユニットではすぐに壊れたり、電源供給の安定性が低いなどPCに重大な問題を起こします。
電源容量が足りないとどうなるか
電源容量が足りないと、「パーツを認識しない」「PCの電源が落ちる」といった不具合が生じます。
これらの症状は特にゲーミングPCのパーツ交換や増設をした際によく起きる問題です。
- グラフィックボードを増設したのに認識されない
- パーツの交換をしたら電源が落ちるようになった
という場合は電源ユニットの電源容量を確認してみましょう。
電源ユニットの容量には余裕を持たせる
電源容量は少し余裕をもって選んでおくのがおすすめです。
後々パーツ交換やパーツ増設をする場合、電源ユニットごと交換するとなると手間もお金も余計にかかります。
ハイスペックまでのゲーミングPCなら、750Wの電源ユニットを搭載しておけば多少のパーツ増設にも耐えられます。
おすすめ電源ユニットメーカー
・Seasonic
・オウルテック
・玄人志向
・Enhance
4メーカー以外にも良い電源ユニットはあります。
人気が高い=選ぶ人が多い=信頼性が高いわけですから、迷ったらこの4メーカーの中から選んでおけば間違いありません。
ゲーミングPCにおすすめな電源ユニット
オウルテック(Seasonic製) FOCUS-GXシリーズ【80PLUS GOLD】
・80 PLUS® GOLD認証取得
・ハイブリッドファンコントロール機能搭載
・日本メーカー製105℃電解コンデンサー採用
・120mm Fluid Dynamic Bearing(FDB)ファン搭載
・内部のケーブルレスデザイン
・10年間の長期交換保証
サイズ (本体) | 約 150(W) × 140(D) × 86(H) mm |
重量 (本体) | 1529g~1588g |
保護回路 | OPP,OVP,SCP,OCP,OTP,UVP |
搭載ファン | Fluid Dynamic Bearing (流体軸受け) 120mm FAN |
参考価格 | ¥20,000円 |
コネクタ | ケーブルの本数 | ||
650W | 750W | 850W | |
マザーボード用 24/20ピン電源コネクタ | 1 | 1 | 1 |
ATX 12V 4+4ピン電源コネクタ | 2 | 2 | 2 |
PCI-Express 8(6+2)ピン電源コネクタ×2 | 2 | 2 | 3 |
シリアルATA 15ピン電源コネクタ×4 | 2 | 2 | 2 |
シリアルATA 15ピン電源コネクタ×2 | 1 | 1 | 1 |
ペリフェラル 4ピン 電源コネクタ×3 | 1 | 1 | 1 |
ペリフェラル 4ピン 電源コネクタ×2 | 0 | 0 | 1 |
SATA3.3 アダプター | 1 | 1 | 1 |
Antec(Seasonic製) NeoECO GOLDシリーズ【80PLUS GOLD】
・80 PLUS® GOLD認証取得
・静音性に優れた120mm自動回転数制御ファン搭載
・全てのコンデンサに日本メーカー製コンデンサを採用
・小型システムに最適な奥行140mmのコンパクト設計
・ケーブルマネジメントに優れたセミモジュラー仕様
・7年間の長期交換保証
サイズ (本体) | 約 150(W) × 140(D) × 86(H) mm |
重量 (本体) | 1940g~2240g |
保護回路 | OPP,OVP,SCP,OCP,OTP,UVP,NLO,SIP |
搭載ファン | 自動回転数制御対応120mm静音ファン |
参考価格 | ¥11,000円 |
コネクタ | ケーブルの本数 | ||
750W | 650W | 550W | |
メイン24ピン電源コネクタ | 1 | 1 | 1 |
CPU補助4+4ピン電源コネクタ | 2 | 1 | 1 |
6+2ピンPCI-E電源コネクタ | 4 | 4 | 2 |
SATA電源コネクタ | 8 | 6 | 6 |
ペリフェラル電源コネクタ | 3 | 3 | 3 |
FDD電源コネクタ | - | - | - |
玄人志向 STANDARDシリーズ【80PLUS GOLD】
・80 PLUS® GOLD認証取得
・静音性に優れた自動回転数制御対応120mm静音ファン搭載
・+12V重視の合計45A シングルレーン出力
・105℃アルミ電解コンデンサーなどの高信頼部品を搭載
・小型システムに最適な奥行140mmのコンパクト設計
・すっきり配線フルプラグイン仕様
・3年間の交換保証
サイズ (本体) | 約 150(W) × 140(D) × 86(H) mm |
重量 (本体) | - |
保護回路 | OPP,OVP,SCP,OCP,OTP,UVP,NLO |
搭載ファン | 自動回転数制御対応120mm静音ファン |
参考価格 | ¥11,000円 |
コネクタ | ケーブルの本数 | ||
750W | 650W | 550W | |
メイン24/20ピン電源コネクタ | 1 | 1 | 1 |
4ピンATX12V/8ピンEPS12V | 2 | 1 | 1 |
HDD | 3 | 3 | 3 |
FDD | 1 | 1 | 1 |
SATA | 4 | 3 | 3 |
SATA(L) | 8 | 6 | 6 |
6+2ピン PCI Express | 5 | 3 | 3 |
6ピン PCI Express | 1 | 1 | 1 |
ゲーミングPC電源に関するよくある疑問
ゲーミングPCの電源に関するよくある質問をまとめています。
ゲーミングPCの電気代はどれぐらい?
700Wの電源使用時で、毎日5時間使用すると一ヶ月あたり約2,800円程度です。
ゲーミングPCの電気代は10畳用クーラー使用とほぼ同じ金額になります。
電源ユニットの容量によって電気代は変わりますが、電源容量から大まかな電気代を計算できます。
電気代に関する詳しい内容や計算方法は下記記事を参照ください。
関連記事:ゲーミングPCの電気代はどれぐらいか|消費電力とワット数
大きな電源容量でブレーカーが落ちない?
一般的な賃貸物件では15~20A(1,500~2,000W)が使用電力の上限であり、700Wは0.7Aです。
ただし常時700Wを消費するわけではなく、消費量はほとんどが半数以下なのでブレーカーは落ちません。
ご自宅の電力上限の確認方法や詳しい内容は下記記事を参照ください。
関連記事:ゲーミングPCでブレーカーが落ちないか心配!確実に確認する方法